Googleビジネスプロフィール(GBP)を複数店舗で管理する時は、権限、更新する情報、店舗確認、口コミ対応を分けます。本部が全店舗の事実を一括で上書きすると、営業時間や予約URLなどの店舗差を消すおそれがあります。各店舗だけに任せると、異動後の権限やブランド共通情報が残りやすくなります。
Google公式のビジネス拠点グループと一括アップロードを使い、本部が管理する共通項目と、店舗が確認する個別項目を決めます。店舗数による固定の運用体制、API、有料ツールを前提にする必要はありません。
最初に決める4つの管理台帳
| 台帳 | 記録する項目 | 主な確認者 |
|---|---|---|
| 店舗台帳 | 店舗コード、名称、住所、電話、営業時間、カテゴリ、URL、状態 | 本部と店舗責任者 |
| 権限台帳 | Googleアカウント、役割、対象グループ・店舗、付与日、終了日 | 本部の権限管理者 |
| 変更台帳 | 対象店舗、変更前後、根拠、承認者、実行者、反映結果 | 変更内容の責任者 |
| 口コミ対応台帳 | 返信担当、確認が必要な内容、対応状態、店舗への共有 | 店舗責任者と本部 |
Googleアカウントのパスワードを共有せず、担当者ごとのアカウントをオーナーまたは管理者として招待します。
ビジネス拠点グループで店舗を分ける
ビジネス拠点グループは、複数のプロフィールを複数人で管理するためのGoogle公式機能です。ブランド、法人、地域、運営会社など、権限を分ける必要がある単位でグループを設計します。
グループ分けの例
| 状況 | グループの分け方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 同一法人・同一ブランド | ブランドまたは運営部門 | 店舗差を一括上書きしない |
| 複数法人 | 法人ごと | 契約終了時の権限返却を決める |
| フランチャイズ | 所有・運営責任の単位 | 本部と加盟店の編集範囲を明文化する |
| 代理店が支援 | 顧客組織のグループ | 顧客側にオーナー権限を残す |
グループ名は社内で識別できる名称にし、検索者向けの店舗名へ管理用の記号を追加しないでください。
グループと個別プロフィールの権限
Google公式ヘルプでは、ビジネス拠点グループと個別プロフィールのそれぞれにオーナーと管理者があります。操作範囲が違うため、どちらへ招待したかも台帳に残します。
ビジネス拠点グループの役割
| 役割 | 主な操作 | 制限 |
|---|---|---|
| グループのオーナー | グループのユーザー管理、プロフィール管理、権限譲渡 | 影響範囲が広いため付与先を限定する |
| グループの管理者 | グループ内プロフィールの追加・編集・削除 | グループのユーザー追加・削除はできない |
個別プロフィールの役割
| 役割 | 主な操作 | 制限 |
|---|---|---|
| オーナー | 情報編集、投稿、口コミ返信、ユーザー管理、プロフィール削除 | メインのオーナーは一人 |
| 管理者 | 情報編集、投稿、口コミ返信 | ユーザー追加・削除、プロフィール削除はできない |
権限の広さだけで役割を決めません。実際の担当業務に必要な範囲を選びます。
本部と店舗の権限を分ける
次は運用例です。Googleが指定する唯一の体制ではありません。
| 作業 | 本部 | 店舗 | 承認ルールの例 |
|---|---|---|---|
| 店舗コード・グループ | 管理 | 参照 | 本部が変更台帳へ記録 |
| 店舗名・主カテゴリ | 原案と整合確認 | 実態確認 | 事業実態とGoogleガイドラインを確認 |
| 住所・電話 | 台帳管理 | 現地確認 | 開店・移転資料と照合 |
| 通常・特別営業時間 | 共通方針 | 店舗が確定 | 予約画面、公式サイトも同時更新 |
| サービス・商品 | 表記基準 | 提供有無を確認 | 未提供項目を公開しない |
| 投稿 | 共通素材 | 店舗差を確認 | 価格、期間、在庫、対象店を確認 |
| 口コミ返信 | 方針・高リスク確認 | 事実確認と返信 | 個人情報と店舗事実を確認 |
| ユーザー権限 | 付与・削除 | 変更申請 | 異動・退職日と連動 |
一括アップロードの準備
Google公式の一括アップロード用スプレッドシートは、複数プロフィールの作成や更新に使えます。一括確認とは別の手続きです。
既存情報から始める
既存プロフィールを更新する場合は、アカウントから最新のビジネス情報をダウンロードし、そのファイルへ変更を加えます。古い社内台帳をそのまま上書き用ファイルにすると、Google上の最新変更を戻すおそれがあります。
店舗コードを固定する
店舗コードは、ファイル内の変更を正しいプロフィールへ適用するための固有値です。
- 重複しない社内コードを使う
- 先頭のゼロを表計算ソフトで消さない
- 空欄や重複をアップロード前に確認する
- 店舗コードそのものはスプレッドシート更新の対象にしない
- 閉店したコードを別店舗へ再利用しない
店舗コードが変わると、既存店舗の更新が新規プロフィールとして扱われるおそれがあります。
変更する列だけを扱う
既存プロフィールの一部だけを更新する場合は、店舗コードと変更対象のフィールドを含めます。全列を毎回上書きすると、店舗独自の値やGoogle上で修正された値を失う可能性があります。
一括アップロードの手順
- ビジネスプロフィールマネージャーから最新情報または公式テンプレートを取得する
- 店舗コードと対象プロフィールを照合する
- 変更するフィールドへ確認済みの値を入力する
- ファイルからビジネス情報をインポートする
- 認識されない列見出し、重複、空欄、エラーを確認する
- 変更プレビューで「新規」「変更」「変更なし」「エラー」を確認する
- 意図しない新規追加や大量変更があればキャンセルする
- 問題がなければ送信し、変更詳細を保存する
- 対象店舗のGoogle検索・マップで反映結果を確認する
プレビューは安全装置です。対象店舗数だけを見ず、変更した項目と店舗コードを確認します。
一括確認はアップロードと別に申請する
スプレッドシートをアップロードしても、一括確認のリクエストは送信されません。Google公式の対象条件を満たす同じビジネスの複数プロフィールは、ビジネスプロフィールマネージャーから一括確認を申請できる場合があります。
申請前に次を確認します。
- 管理対象の有効なプロフィールが漏れなく含まれている
- 重複、停止、無効、エラーを解消している
- 店舗名、住所、カテゴリが実態とガイドラインに合っている
- 申請者がオーナーまたは承認を受けた担当者である
- 他のユーザーが所有するプロフィールはアクセス権を取得している
- Googleから求められた証拠や連絡へ対応できる
対象条件は変更される可能性があります。申請時点のGoogle公式ヘルプと管理画面を確認してください。
店舗ごとの差を一括更新前に確認する
| 項目 | 共通化できる例 | 店舗ごとに確認する例 |
|---|---|---|
| 店舗名 | 現実世界で共通のブランド表記 | 店舗固有の正式名称 |
| 住所 | 入力形式の基準 | 建物名、階、入口、移転 |
| 電話 | 電話表記の基準 | 実際につながる店舗番号 |
| 営業時間 | 営業時間の入力ルール | 曜日、祝日、臨時休業 |
| カテゴリ | ブランドの主要事業 | 店舗で提供する事業の差 |
| サービス | 表記と説明の基準 | 提供有無、価格、予約条件 |
| URL | UTM命名ルール | 店舗ページ、予約ページ |
| 投稿 | ブランド素材 | 対象店、期間、在庫、催事 |
「全店共通」と判断した情報にも例外がないか、店舗責任者へ確認します。
口コミ対応は店舗事実を確認してから返信する
口コミ返信はブランドの文体を共通化できますが、利用日、注文、担当、返金、治療などの事実を推測してはいけません。
本部が決めること
- 返信で使わない表現
- 個人情報、法務、医療、安全問題のエスカレーション先
- 謝罪、事実確認、店舗連絡の順序
- 返信前に確認する項目
- 返信済み・確認待ち・非公開対応の状態
店舗が確認すること
- 該当する利用記録が確認できるか
- 公開返信に書けない個人情報がないか
- 店舗側の誤りが確認されているか
- 返金、再提供、医療判断などを約束できる権限があるか
- オフライン連絡が必要か
評価の高い口コミだけへ返信したり、低評価を削除する条件で対応したりしません。返信例はGoogle口コミ返信の例文で確認できます。
投稿を複数店舗へ共有する時の確認
Google公式の投稿画面で複数プロフィールを選択できる場合も、全店同一の事実かを確認します。
- 対象店舗
- 開始・終了日時
- 価格、在庫、除外条件
- 店舗別の予約・注文URL
- 写真が撮影された店舗と利用許諾
- 規制対象の商品・サービス
一斉投稿の操作方法とポリシーはGoogleビジネスプロフィール投稿の使い方で確認してください。
異動・退職・委託終了時の権限管理
- 対象アカウントとグループ・店舗を権限台帳で特定する
- 引き継ぎ先を個人アカウントではなく組織の責任者が確認する
- 必要な招待と承諾を完了する
- メインのオーナー権限が組織側に残ることを確認する
- 不要になったユーザーをオーナーが削除する
- 連携ツールや社内システムの認証も別に無効化する
- 操作後にアクセス一覧と主要プロフィールを確認する
Googleプロフィールからユーザーを削除しても、外部ツールや共有メールの権限は自動で消えません。システムごとに確認します。
変更時の確認フロー
変更申請
↓
対象店舗と根拠を確認
↓
共通項目か店舗固有項目か判定
↓
変更ファイルまたは個別編集を準備
↓
承認者が差分と対象を確認
↓
適用
↓
Google検索・マップ・公式サイト・予約画面を確認
↓
結果とエラーを変更台帳へ記録
一度に多くの項目を変える必要がない場合は、影響範囲を小さくします。誤更新が起きた時に、直前の変更だけを戻せる記録を残します。
よくある質問
一括アップロードすると一括確認も完了しますか?
完了しません。スプレッドシートのインポートと、一括確認の申請は別の手続きです。対象条件と申請手順をGoogle公式ヘルプで確認してください。
全店舗の営業時間を一度に変更してよいですか?
全店舗で同じ事実なら一括変更を検討できます。店舗ごとに休業日や受付時間が違う場合は、対象を分けます。特別営業時間、公式サイト、予約画面も合わせて確認します。
店長へオーナー権限を渡す必要がありますか?
日常の情報編集、投稿、口コミ返信は管理者でも行えます。ユーザー管理やプロフィール削除が必要な担当だけにオーナー権限を付与します。
外部の運用会社へメインのオーナー権限を移すべきですか?
通常は、自社または正当な事業主体がメインのオーナー権限を保持し、運用会社へ必要な権限を付与します。契約終了時の削除、データ返却、未完了作業も契約前に決めます。
参考にした一次情報
- 一括アップロード用スプレッドシートを作成する:店舗コードと入力フィールドの考え方を確認。
- 一括アップロード用スプレッドシートをインポートする:最新情報の取得、インポート、プレビュー、エラー確認を確認。
- ビジネス プロフィールを一括で確認する:対象条件、アップロードとの違い、申請手順を確認。
- ビジネス拠点グループを作成、管理する:グループの作成とプロフィール移動を確認。
- ビジネス拠点グループのオーナーと管理者を管理する:グループの役割と権限差を確認。
- ビジネス プロフィールのオーナーと管理者を管理する:個別プロフィールの役割と招待・削除手順を確認。
まとめ
複数店舗のGBP管理では、ビジネス拠点グループと個別プロフィールの権限を分けます。一括アップロードは、最新情報、店舗コード、変更対象、プレビュー、エラーを確認してから適用します。営業時間、住所、投稿、口コミ返信は店舗差を残し、異動・退職・委託終了時に不要なアクセスを削除してください。
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